アニメ「響け! ユーフォニアム」第11話のトランペットソロ 演奏の違い

1年生の高坂麗奈
3年生の中世古香織先輩。
オーディションでいったんは麗奈に決まったけれど、再オーディションが設けられることになって、二人のソロ演奏がアニメの中で展開されることになりました。
香織先輩よりも麗奈の方がうまいことになっている、それを演奏の違いでどう表現されたか。
演出の違いはもうかなりネット上でレビューされていますが、演奏の違いについてはあまり見掛けませんでしたので、書いてみようと思います。


最初に、香織先輩。
とてもうまいです。
練習して突き詰めていったら、こういうところに行きたい模範的な演奏。
音色も、演奏の表現も。
音の変わり目でわずかにざらっとした音がでるところもありますが、唇を震わせて鳴らすトランペットらしさを感じさせます。ビブラートも掛かってるし。かなりソロ演奏の理解を深めたものと思われます。


次に高坂麗奈
なんと出だしで音色を変えています。ちょっと影のあるような。
それがふわっと大胆に明るくなっていきます。
つまり音色のコントロールも自在にできるうまさと言うことですね。
そのあとも一音一音それぞれの中で音の強さを変えています。
楽器って弱い音を出すのが難しいのです。ある程度弱めていくと、スカっと突然途切れてしまいます。
フレーズ全体でクレシェンド・デクレシェンドは心がけますが、一音一音は難しく、それができると音が滑らかな玉のようにみずみずしく聞こえるようになってきて、すごく魅力的で引き込まれる感じになります。
くちぶえの感動する演奏ってどういうものか意識して自分なりに考えてみたら、こういう結論になりました。
私もくちぶえを意識することをやっていなければ、二人の演奏の区別つかなかったかも知れません。
香織先輩の方がいいと思うこともあったかも知れません。全体的に音大きかったし。


アニメの中では、この2人に拍手で投票するというものでしたが、部員勢揃いしていたのに、香織先輩・麗奈とも2人ずつしか拍手がありませんでした。

この状況、香織先輩の方がソロに選ばれてもおかしくはないと考えます。
みんなと一緒に練習した部活動の中で、努力した結果うまくなっていった人。部員と一体感があるでしょう。
そうなれば、全体演奏の方もまとまりやすいかも知れません。
麗奈の方は最初からうまくて、アマチュア楽団にゲストでプロ奏者が入ってきた感じになってるような。
麗奈はいろいろとんがっていますが、でもこれから衝突しながらも部員として成長していくのかも知れません。