映画「コクリコ坂から」を見る

映画「コクリコ坂から」はこの日から公開でした。
前から注目していて、公開の最初に行ってみることにしました。
宮崎吾朗監督ですが、試写会で好評だった噂もありましたし。
原作漫画・高橋千鶴さん、歌が手嶌葵さんで、谷山浩子さんが作詞や作曲している曲もたくさんありましたので。
高橋千鶴さんと言えば、かつて、谷山浩子さんのオールナイトニッポンにもゲスト出演されたことがあるのです。
見たところ、とてもいい感じでした。
時代や絵柄は原作から変わっていたけれど、原作で使われていた台詞や設定は予想以上に生かされていました。
家族が省略されちゃうのではないかと思ったのですが、ちゃんと妹の空と弟の陸もいます。
弟陸の「お姉ちゃん、靴下に穴開いたー」の台詞はちゃんと健在。
風間俊が飛び込むところでは、原作では水に落ちずに木に引っかかって失敗となるのですが、映画は、木に引っかかってバウンドしてから水槽に落ちるという二段構えにグレードアップしていました。
原作では、登場人物達に裏黒いところがあって、色々もめるのですが(少女漫画的に盛り上げるため)、映画ではそれらの毒は丁寧に抜いてあって、とっちらかっているシナリオもばっさり捨ててます。
一方で、出生の秘密など唐突すぎる面を、それまでに2回の戦争があったことでそれらしくまとめています。
アニメっぽく派手にしないところは、逆に新鮮に感じました。
「つかずはなれず 並んで歩く」(劇中歌・初恋の頃(谷山浩子作詞作曲)だけで恋愛の世界が描かれているのも新鮮です。
見直すと、最初の薄暗い部屋で海ちゃんが目覚めてむっくり起きるのがそれまでの表現と全然違って、初見から気に入りました。これは派手な少女漫画表現へのカウンターだと思って、その先ずっとカウンターで表現すると思ったら感情移入出来ました。

結局、この日のうちにもう一度見て、さらに後日、友人を誘ったり、親を誘ったり、公開最終日に見たりで合計5回鑑賞しました。
2回を越えて映画を見るのは初めてでした。作品の実力というよりは、巡り合わせかも知れませんが、それほどはまりました。


(公開直後にネタバレをするのはマナー違反かと思いますが、このブログを書いているのは2011年10月24日ですので、映画は一部を除いてほぼ公開終了しているため、いくつか具体例を書かせて頂いています。)